【経済力よりお互いの価値観が大切?】統計データから令和の結婚観を読み解いてみた

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少子化と結婚観の変化の関係とは?

日本では生涯未婚率が上昇して、少子化が進んでいます。
日本の少子化が進む背景には、日本人の結婚観の変化が影響しているのでしょうか?

本記事では、日本人の結婚に対する考え方がどのように変わりつつあるのか、具体的なデータと共に検証してみます。

生涯未婚率のデータ

日本の生涯未婚率は、1970年には男性1.7%、女性3.3%でした。
ですが、2020年には男性28.3%、女性17.8%まで増えています。
将来的には、男性の30%程度、女性の20%程度が結婚しないのではとも言われています。

更に、日本政府が異次元の少子化対策を掲げる中、出生数も減少し、2022年には過去最少の77万747人となりました。

日本の結婚観における大きな変化を示す指標の一つが、生涯未婚率の増加です。1970年代に比べ、その数値が大幅に上昇したことは、日本社会における結婚という制度に対する新たな認識や価値観の変化を反映しています。

1970年代までの日本では、結婚は一般的なライフステージとして捉えられ、社会的な期待や経済的な安定を求めるための重要なステップでした。しかし、現代ではそれが大きく変わってきています。特に、女性の社会進出が進み、結婚や出産が個人の選択として捉えられるようになったことが、生涯未婚率の増加につながっています。

この傾向は、日本の少子化問題とも深く関連しています。生涯未婚率が上昇することで、結婚による子どもの出生率が低下し、少子化が進行しています。そして、少子化は経済や社会構造に深刻な影響を与える可能性があります。

日本政府はこの問題に対処するため、様々な政策を検討しています。しかし、単に結婚や出産を奨励するだけでは解決できないのが現状です。社会の変化や個人の意識の変化に合わせた、より包括的な対策が求められています。

また、出生数の減少も重要な要因です。2022年に過去最少の出生数を記録したことは、日本の将来における人口構造の懸念を示しています。少子化が進行すると、労働力や社会保障制度への影響が大きくなり、経済的な持続可能性にも影響を及ぼします。

これらのデータから見ると、日本の結婚観や出生率の変化は単なる個人の選択だけでなく、社会全体に大きな影響を与える可能性があることが理解されるでしょう。

結婚したいと思う理由と価値観

結婚に対する動機や理由は、個々の人々の背景や人生経験によって異なりますが、社会全体の傾向を把握することで、その背後にある大きな要因を理解することができます。

内閣府の意識調査によれば、結婚を望む理由の中で最も多かったのは「家族を持ちたい」「子どもが欲しい」というもので、その次に「好きな人と一緒にいたい」という回答があります。この結果は、結婚を通じて家族を築き、子どもを育てるという伝統的な価値観が依然として多くの人々に根強く残っていることを示唆しています。家族という絆や、子どもとの関係を通じて得られる喜びや充実感は、多くの人々にとって大きな幸福の源泉です。

興味深いのは、30代の女性の中で「老後に一人でいたくない」という理由を挙げる割合が68.2%と非常に高いことです。これは、現代社会において孤独や社会的孤立が深刻な問題となっていることを反映しています。高齢化が進む中で、家族やパートナーとの絆がより重要視されるようになっています。結婚を通じて、将来の老後を支え合うパートナーシップを築くという視点が、特に女性にとって重要とされています。

一方で、経済的な安定を結婚の条件として挙げる人も少なくありません。特に、女性の社会進出が進み、経済的自立が求められるようになった現代社会においては、経済的な安定は結婚における重要な要素となっています。女性の就業率が上昇し、キャリアを築くことが一般的になるにつれて、経済力や生活の安定を求める声も増えています。経済的な安定があることで、将来の安心感や生活の充実度が高まり、結婚生活がより安定したものになると期待されます。

これらの動機や価値観は、結婚に対する個々の意識や選択に影響を与えるだけでなく、社会全体の潮流や経済・文化的な背景とも深い関連があります。結婚観や結婚に対する期待は、時代と共に変化していますが、家族やパートナーシップという基本的な人間関係の重要性は、時代を超えて変わることはありません。

結婚相手に求める条件が変わってきている

結婚におけるパートナー選びの基準や価値観は、時代とともに変化しています。近年では、経済力や学歴よりも、価値観の一致や相性の重視が増しています。

以前は、経済的な安定や社会的地位などの外的要因が結婚相手の条件として重視されることが一般的でした。しかし、現代の若い世代では、それらの要素よりも、精神的な部分がより重要視される傾向が見られます。具体的には、価値観の一致や趣味の合うこと、お互いに理解し支え合える関係性が重視されます。結婚生活は長い期間にわたるものであり、日常生活でのコミュニケーションや共通の興味関心が重要になってくるため、これらの精神的な要素がパートナー選びにおいて優先されるのです。

価値観や趣味の合致は、夫婦関係の円滑さや幸福度に大きな影響を与えます。共通の趣味や関心事を持つことで、一緒に楽しい時間を過ごすことができますし、価値観が合致することでお互いの理解が深まります。また、価値観の一致は、将来の生活や子育てにおける意思決定においても重要な役割を果たします。たとえば、金銭感覚や子育て方針などに対する価値観の違いがあると、夫婦間での対立や不和が生じる可能性が高まります。そのため、価値観の一致は結婚生活の安定にとって不可欠な要素と言えます。

一方で、経済力や学歴などの外的要因が低い傾向にあることも注目されます。これは、経済的な安定や社会的地位が結婚において決定的な要素ではなくなってきていることを示しています。経済的な要因が重視されない理由の一つとして、女性の社会進出が挙げられます。女性がより多くの社会的役割を果たし、経済的に自立することが一般的になった現代では、経済的な支えが必要なくなってきているのです。

また、学歴に関しても、結婚相手の学歴が重要視されなくなってきています。以前は、学歴の高い相手との結婚が、経済的成功や社会的地位の向上と結びつくと考えられていましたが、現代では個々の人格や能力がより重視されるようになりました。結婚相手の学歴よりも、価値観の一致や相性の良さが結婚生活においてより重要であるという認識が広まってきているのです。

このように、結婚における条件や価値観は社会の変化に合わせて変化しています。経済力や学歴といった外的要因よりも、お互いの価値観や相性を重視する傾向が強まっていることが、現代の結婚観を理解する上で重要です。

男性に望まれる年収の背後にある本音とは?

男性に対する結婚相手の年収に関する期待は、結婚観や社会的背景によって異なりますが、一般的には平均的な収入を希望する傾向があります。結婚相談所の調査によれば、女性が望む結婚相手の年収は「400万~600万円」程度とされており、これは男性の平均年収とほぼ一致しています。

このような希望の背後には、様々な要因が考えられます。まず、経済的な安定が結婚生活において重要な要素であるという認識があります。経済的な安定があることで、生活費や子育て費用などを十分に賄うことができますし、将来への不安を減らすことができます。特に子育てにおいては、経済的な余裕があることで子どもたちに良い環境を提供できると考える人が多いでしょう。

また、男性の年収に対する期待は、社会的な期待やジェンダー・ロールの影響も受けています。長い間、男性は家族の主要な稼ぎ手としての役割が期待されてきました。そのため、男性の収入が家計を支える上で重要な役割を果たしてきました。結婚相手の年収が平均以下である場合、家計を支える負担が女性にかかる可能性が高くなります。このため、一般的な傾向としては、男性の収入が平均以下である場合、結婚相手として選ばれにくいという現象が起こるのです。

ただし、平均を望むことは必ずしも高望みとは言えません。日本の労働市場において、高度な専門知識や技術を必要とする職種に従事していない場合、平均以上の収入を得ることは容易ではありません。また、地域や産業によっても収入の水準は異なります。そのため、平均以下の収入しか得られない男性が、結婚市場で不利な立場に置かれることがあります。

結婚相手の年収に対する期待は、個々の経済状況や社会的背景によって異なりますが、一般的には経済的な安定を求める傾向が強いです。これは、結婚生活において安心感や満足度を高めるための要素として重要視されています。しかし、一方で、経済的な安定だけではなく、パートナーとの価値観の一致や相性の良さも結婚生活の幸福度に大きく影響することも忘れてはなりません。結婚相手の年収だけでなく、パートナーとの関係全体を見据えて、結婚を考えることが重要です。

令和の結婚観にみられる傾向のまとめ

現代の結婚観は、経済的な安定よりも、お互いの価値観や気持ちが合うか大切にする傾向があります。
結婚相手に対する希望年収が平均的であることからも、経済力よりもふたりの相性や幸せになれるかかが、結婚の優先順位を決定づけています。

こういった傾向が今後も続いていく中で、結婚における価値観がますます多様化していくことは間違いないでしょう。

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